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託す・任せる
制度の目的と重要性
高齢化の進展に伴い、ご自身の判断能力が将来的に低下した場合や、亡くなった後の財産管理や生活に関する手続きをどのように進めるかという課題が生じます。
これらの事態に備え、ご自身の意思を尊重しながら財産や生活を信頼できる人に託すための仕組みが、これらの契約制度です。
最も重要な目的は、認知症などによりご本人の判断能力が失われた際に、財産が法的に凍結されてしまい、生活費の引き出しや不動産の売却などができなくなる事態を回避することです。
以下に、財産管理、身上監護(生活や介護に関する手続き)、および死後の手続きに関する主要な制度を解説します。
1. 家族信託(民事信託):財産管理の柔軟な仕組み
家族信託とは、ご自身の財産(不動産や預貯金など)を、信頼できるご家族(受託者)に託し、契約で定めた目的に従って管理・運用・処分してもらう仕組みです。
家族信託の機能
財産凍結リスクの回避
ご自身(委託者)の判断能力が低下した後も、信託契約が有効であるため、受託者が財産管理を途切れることなく継続できます
二次相続以降の承継指定
遺言では一代限りしか指定できませんが、家族信託では、ご自身が亡くなった後の次の財産の承継先まで、あらかじめ契約内容で柔軟に指定できます。
家庭裁判所の関与の排除
任意後見制度と異なり、家庭裁判所による監督が原則ないため、受託者は契約内容に基づき、迅速かつ柔軟に財産管理を進められます。
税理士が関与する重要性
家族信託の設計は、その内容によって相続税や贈与税、所得税といった税務上の評価や課税に大きな影響を及ぼします。税理士の関与は、以下の点で不可欠です。
税務リスクの事前分析
家族信託は契約の自由度が高い反面、設計次第で贈与税や所得税といった想定外の税金が発生するリスクがあります。
税理士は、信託設計案が税務上の問題を引き起こさないかを事前に検証し、設計を最適化します。
相続税対策との統合
家族信託を、生前贈与や生命保険活用など、総合的な相続税対策の一部として機能させ、施策全体の実効性を担保します。
信託開始後の継続支援
信託開始後も、受託者(財産管理者)に対し、信託財産から生じる収益の税務処理や、収支報告書の作成に関する助言・サポートを継続します。
2. 任意後見契約:身上監護を重視した支援
任意後見契約とは、ご自身の判断能力が低下する前に、あらかじめ信頼できる人(任意後見人)を選び、将来、判断能力が不十分になったときに、財産管理と身上監護に関する手続きを代理してもらう契約です。
任意後見契約の役割
身上監護の実行
老人ホームへの入居契約、介護サービスの手配、医療費の支払いなど、ご本人の生活や健康に関わる重要な手続きを代理して行うことができます。
これは家族信託では原則できない機能です。
家庭裁判所による監督
後見が開始すると、家庭裁判所が選任する任意後見監督人が必ず配置され、後見人の業務を監督します。これにより、後見人による不正行為のリスクを低減できますが、監督人への報酬が継続的に発生します。
3. 財産管理等委任契約:判断能力低下前の支援
財産管理等委任契約は、ご自身の判断能力は十分にあるものの、病気や高齢による身体的な衰えなどにより、ご自身で銀行や役所の手続き、不動産の管理などが困難になった場合に、その業務を他者に委任する契約です。
発効時期
任意後見契約が「判断能力が不十分になった時」に発効するのに対し、財産管理等委任契約は契約後すぐに効力が発生し、ご本人が必要と感じた時点から支援が受けられます。
家庭裁判所の関与
家庭裁判所の関与がなく、ご本人と受任者(財産管理者)の間の信頼関係に基づいて手続きが進行します。
4. 死後事務委任契約:死後の事務手続きの委託
死後事務委任契約は、ご自身が亡くなった後に発生する事務手続きを、あらかじめ選任した人(受任者)に託す契約です。
委任の範囲
葬儀・埋葬に関する手配、医療費や介護費用、公共料金などの支払い、賃貸住宅の解約手続き、行政機関への各種届出など、相続財産の分配とは直接関係のない事務を委任できます。
遺言との関係
遺言書は財産の承継に関する効力のみを持つため、死後事務は別途この契約で定める必要があります。
託す・任せるサポートの進め方
ご自身の希望を最大限に実現するためには、これらの制度の中から最適なものを選択し、他の制度と組み合わせて設計することが必要です。
特に家族信託においては、税務上の影響を正確に把握し、リスクを排除することが不可欠です。
岡崎相続サポートセンターでは、お客様の財産状況やご家族構成、ご希望される将来設計を詳細に分析し、税務・法務の両面から見て最も合理的かつ安全な「託す・任せる」プランを提案します。
まずは初回無料相談(60分)をご利用いただき、ご心配事やご希望を明確にお聞かせください。