相続税法における遺贈とは
※この記事は、2021年5月に公開したコラムを2026年8月に最新情報へ更新したものです。
遺贈とは、遺言による贈与のことです。
遺贈は相続人以外にも財産を譲ることが出来るというところに特徴があります。
もちろん相続人に対しての遺贈も可能です。
包括遺贈と特定遺贈
遺贈は大きく二つに分けることが出来ます。包括遺贈と特定遺贈ですが、このどちらの形になるかでその後の手続きなどに影響を受けることになります。
①包括遺贈
「遺産の2分の1」いう形で遺言に記載されます。
また、負債などがあればそれも指定された割合で引き継ぎます。
②特定遺贈
「特定の財産」を受け継ぐ方法です。「土地を誰々に遺贈する」いう形で遺言に記載されます。
登録免許税
相続の場合は不動産の価格の1,000分の4、遺贈の場合は不動産の価格の1,000分の20です。
しかし、遺贈を受けた人が相続人である場合は1,000分の4になるという規定があります。
農地の取得
「遺贈する」遺言の場合は、包括遺贈以外は、農地法による農業委員会又は知事の許可が必要となります。
「相続させる」遺言の場合は、農地法による許可は不要です。
借地権・借家権の取得
「遺贈する」遺言では賃貸人の承諾が必要となりますが、「相続させる」遺言の場合は賃貸人の承諾は不要です。
不動産の登記
「遺贈する」と遺言に書いた場合は、受遺者は他の法定相続人全員と共同で所有権移転の登記申請をしなければなりません。
「相続させる」遺言の場合は、指定された相続人が単独で所有権移転の登記申請をすることができます。
また、「遺贈する」遺言では登記をしなければ債権者に対して自分の権利を主張することができませんが、「相続する」遺言では登記がなくても債権者に自分の権利を主張することができます。
言葉ひとつで大違い!遺言書で「遺贈する」と書くリスクと注意点
遺言書を作成する際、渡す相手が「法定相続人(子や配偶者など)」であれば「相続させる」、相続人以外(孫や第三者など)であれば「遺贈する」と書き分けるのが原則です。
もし相続人に対して誤って「遺贈する」と書いてしまうと、不動産の名義変更時に他の相続人全員の協力(印鑑)が必要になったり、農地や借地権の手続きで余計な手間や承諾費用が発生したりするトラブルに繋がります。
また、法定相続人以外(孫や第三者)へ遺贈する場合は、本来の相続税の1.2倍が課される「2割加算」の対象となる点にも注意が必要です。
損やトラブルを防ぐためにも、文言の選択や税額シミュレーションは事前に行うことが大切です。
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